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特集記事
アオリイカの旬

アオリイカの旬は5~8月です
子イカは10~11月が旬となります。
イカの王様
アオリイカは、身が厚く、噛んでいるとトロリとした食感になり甘みが増し、とてもおいしいイカです。刺身にすると、その甘みと旨みを存分に味わうことができます。そのおいしさから、「イカの王様」といわれています。
生きる知恵
アオリイカは、春から夏にかけて産卵のために海岸近くの浅場にやってきます。海藻や岩の隙間に、豆の鞘のような寒天質の卵鞘を1か所に固めて産卵します。
産み付けられた卵は、魚に食べられることはないそうです。卵鞘の中にバクテリアがいて、魚が嫌がる物質を出していると考えられています。
卵からは20日ほどで孵化し、幼体は浅い海で成長します。夏には体長が数cmの大きさになり、水面に浮く枯葉やゴミなどの浮遊物に擬態することで、天敵から身を守ります。幼体は体長15~20cmほどまで成長し、冬になると深い場所へ移動します。
ところで、擬態についてはさまざまな研究が行われています。たとえば、アオリイカが2本の腕をまっすぐに上げて、海中のサンゴと同じ動きをしている様子が観察されています。
アメリカのウッズホール海洋生物学研究所の生物学者、ロジャー・ハンロン氏によると、「サンゴのそばにやって来ると、まるで一部になったようにゆらゆらとし、その状態をしばらく続けることができる」そうで、「イカやタコなどの頭足類は、40分間も同じ体勢を維持できる」といっています。
アオリイカの主な栄養成分
アミノ酸の宝庫
イカの旨みを決定づけているのが、甘みを感じる呈味成分である遊離アミノ酸。グリシンを筆頭に、アラニン、プロリンなどが、イカの中ではアオリイカにもっともたくさん含まれています。
タウリンが豊富
イカにはタウリンが多く含まれており、胆汁の分泌を促進し、肝臓の働きを助け、 肝機能を高める働きがあります。
ビタミンDを除くすべてのビタミンが存在
含量はそれほど多くはありませんが、ビタミンD以外のビタミン類がほとんどすべて含まれていて、バランスのとれたビタミン供給源となります。
中でも、ナイアシンが多いことが特長です。ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康を維持します。
低脂肪
イカの脂肪含量は約2%。魚介類の脂肪はおよそ5%以上なので、とても少ないことがわかります。
リン脂質が多い
イカにはリン脂質が多く含まれていることが特徴です。リン脂質には抗酸化作用があります。
おいしいアオリイカの選び方
触れたときに色素細胞が変化するものが新鮮です。身にハリのあるものを選びましょう。
アオリイカの下ごしらえ&保存のポイント
さばき方
胴の中に指を入れ、筒状の外身と足や頭の接合部分を指ではずします。足を束ねてもち、静かに引っ張って内臓ごと引き抜きます。ゲソの部分と内臓を切り離し、ゲソの触手の先を切り捨てます。ゲソの付け根にある目玉とくちばしを取り除きます。外身から軟骨を抜き取り、エンペラを取ります。外身の皮をはがします。
冷凍保存
下処理したイカを丸のまま、もしくは刺身用などにカットし、ラップで包みます。冷凍保存用袋に入れ、冷凍庫で保存します。
刺身の場合は、食べる前に流水で解凍します。(保存期間:1か月)