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特集記事
柿の旬

柿は秋から冬にかけて色づき、食べごろを迎えます
「甘柿」と「渋柿」
甘柿と渋柿の違いは渋み成分「タンニン」が口の中で溶けるかどうかで、溶けると渋くなり、溶けなければ甘くなります。
幼果期はどちらも渋みが溶ける「可溶性」タンニンを含みますが、甘柿は成長過程でタンニンが「不溶性」に変化して口の中で溶けなくなり、渋みを感じなくなるのです。渋柿はアルコールや炭酸ガスを使って処理することでタンニンを可溶性から不溶性に変化させて甘くなります。干し柿にすると、渋みは自然に抜けます。
中国が原産
国内では「古事記」や「日本書紀」に柿の名前が記されていることから、少なくとも奈良時代には渡来してきたといわれています。干し柿は、平安時代にはすでに作られていたようで、平安時代の木簡(736年)に干し柿を献上したとされる記述があるほか、平安時代の法典「 延喜式(えんぎしき:927年) 」にも記録が残されています。
干し柿の出荷量トップ3
1位 長野県、2位 福島県、3位 山梨県です。
柿の主な栄養成分
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」と言われるほど栄養価が高い
柿に含まれるビタミンCの量は、日本人がよく食べる果物の中でトップクラスで、風邪予防、美肌効果、高血圧予防、動脈硬化予防、脳梗塞予防、心筋梗塞予防、がん予防、二日酔い改善などが期待されます。柿のオレンジ色には、抗酸化作用のあるβカロテン、また、カロテノイドの一種である、βクリプトキサンチンも多く含まれています。
渋み成分のタンニンでアルコールを分解
柿にはさらに、利尿作用のあるカリウムが多く含まれており、酸化還元作用のあるビタミンCの相乗効果で二日酔いにも効果があります。なお、タンニンは血圧の上昇を抑える効果もありますが、一方で鉄分の吸収は妨げられてしまうため貧血気味の人は過剰摂取を控えましょう。
筋肉にとっても欠かせないミネラル
カリウムはナトリウム(塩分)を排泄する役割があり、高血圧に効果があります。また、長時間の運動による筋肉の痙攣などを防ぐ働きもあります。
柿の葉
柿は実だけでなく、葉も利用されます。ビタミンCは、みかんの30倍も含まれており、柿の葉寿司や柿の葉茶などでも親しまれています。
おいしい柿の選び方
へたがきれいで、果実に張りつき、果実との間に隙間がないものが良いでしょう。果皮がしっとりして張りがあり、全体的に色づいているもの、また持ったときに重みがあるものを選びましょう。果実の外見全体が濃いオレンジ色に色づいているもの、形が整っているものを選びます。
白く粉を吹いたようになっているものはブルームといい、ブドウなどでも見られるように完熟した果実によく見られる自然現象なので、付いていた方が良い物もあります。
柿の下ごしらえ&保存のポイント
冷蔵保存
柿はポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すれば1週間ほど持ちますが、常温だと2日ほどでやわらかくなります。柿は追熟の必要がないので、購入したら早めに食べましょう。(保存期間:2~3週間)
冷凍保存
熟柿や柔らかくなってしまった柿は、冷凍保存することでシャーベットのように食べられます。柿を丸のまま冷凍する、柿を食べるサイズに串切りなどにして冷凍する、柿をピューレにして冷凍するといった3つの方法があります。
柿の調理のポイント
なますの味わいや彩に
正月用の料理でつかう「なます」料理に、柿の味わいを活かした味付けをしています。彩も良く、おめでたい雰囲気を醸しています。
和風デザート
柿のピューレを使ったゼリーやケーキなどが、日本の輪のお菓子として、和菓子だけでなく洋菓子にも増えています。